○LINK
カテゴリ
以前の記事
2018年 02月 2017年 05月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2014年 08月 2014年 06月 2014年 05月 2012年 09月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 04月 2012年 03月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 04月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2009年 12月 2009年 07月 2009年 05月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
パウルクレー展は肩すかしだったけれど、実はこの日の目玉は同館の所蔵作品展の方にあった。 というか、せっかくだからと軽い気持ちでそちらにも足を運んだのだが、なんとそこに石元泰博氏の「桂」が展示されていたのだ。 印刷物はもとより、氏のオリジナルのゼラチンシルバープリントを目にできる機会はそう多くない。 15点ほどだったけれど食い入るように見入ってしまった。 桂離宮は、書院、茶屋、回遊式庭園から成る十七世紀に造営された別荘家屋だ。 かつてそこは観月を楽しむ場でもあり、月という未知なる世界と人間とを結ぶ境界でもあったという。 その月という謎めいた存在に対して、人々はたたずまいをただし謙虚に相対していたはずだ。その凛とした空間の気配が、石元氏の理知的で完璧な構図の中からひしひしと伝わってくる。 「芸術とは目に見えるものの再現ではなく、見えるようにすることである」 もしそうだとすれば、もっとも重要なことは、自らの主義主張を抑え、その対象をどれだけ明晰かつ微細な意識で見ることができるかどうか、それにかかっているのではないか。 石元氏の写真を見ていると、そんな思いがこみ上げてくる。 とりわけ震災関連の大仰な写真に取り巻かれていると、なおさらそう強く感じてしまう。 くしくもパウルクレーも石元氏もバウハウスの流れを汲む方々だ。 感情の動きを抑え、わずかな気配を感じ取れる繊細な感覚を持つことが、いつの日か私にもできるようになるのだろうか。 ![]()
by koikehidefumi
| 2011-07-16 06:55
|
ファン申請 |
||