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「目覚めよ仏教!ダライラマとの対話 (NHK出版)」を読んだのは去年の夏のことだった。 文化人類学者の上田紀行氏とダライラマの対談を収めたもので、ぼくも以前法王の講話を一度ナマで拝聴したことがあるけれど、まさに法王の豪胆な笑いや身を乗り出す仕草が行間から沸き出してくるような、じつに臨場感あふれる書物だった。 もちろん実際の対談も高揚感みなぎるものだったようで、紀伊国屋ホールで行われた出版記念イベントにおいては、上田氏がいつになく熱い口調でそのときの様子を語っていたのをよく覚えている。 ![]() スライドショーを交えてのパネルディスカッション。 左から、 上田氏、諏訪中央病院名誉院長 鎌田実氏、神宮寺住職 高橋卓志氏 とくにこの日上田氏が熱く語り、本文中にも記されていることのひとつに、「法王は論理的に負けそうな場に進んで出てゆく」というものがあった。 つまりどういうことかといえば、たとえば法王であれば、自分を崇拝する人たちとのみ語ることも可能であるにも関わらず、氏はわざわざ論理的に負けそうな場にも進んで出てゆき、科学者や政治家や他宗教の指導者と対等の対話を交わすことによって、そこから仏教が果たすべき役割を模索し続けてきた。 そこにはおそらく、貴い教えも時代から取り残されれば用をなさない、という無力感があるのだろうが、それは同じように宗教の無力感を感じつつも、それゆえに自分が最初から勝てそうなところでしか、自分が威張れるところでしか勝負しないような宗教者とはまったく正反対の態度である。 ……と、要約するとこのようになるかと思う。 それを聞いたとき、その謙虚さや旺盛な好奇心に目を見張ったのはもちろんだけど、ぼくがもっとも感銘を受けたのは、法王のその柔軟な姿勢についてだった。 ちなみにこれは別の本で読んだことだが、法王はこのようにも公言しているらしい。 「もし仏教の経典の中に、科学が証明した事実と明らかに矛盾するところがでてきたときは、教典の内容を変えるべきだ」 おそらくこうした柔軟さは、イスラム、あるいはキリストの聖職者にはなかなか見出せないことだろう。なにしろアメリカなどでも、「人間は神が創造したと信じている」という反進化論者がいまだ人口の45パーセントを占めているほどなのだ(ギャロップ社調べ)。つまりそれだけ伝統的な聖書の教えが、現代社会においても言い伝えられているということだろう。 もっとも、ここでは宗教間の優劣や善悪を問いたいわけではない。いや、まったくその逆で、まさにそうした二元論的な思考法こそが、世界を偏狭なものに仕向けているのではないか。そして国内外を問わずそういったバイアスが強まる中だからこそ、法王の柔軟な姿勢に敬意を覚えるのではないか。いまこのようなものを書きながら、改めてそう思うのだ。 実は今回このような内容を記したのは、田口ランディさんのブログに、「チベットに対して、できること」というタイトルで、次のようなことが記されていたからだ。 3月 22日にアップされた記事なので少し時間がたってしまっているけれど、以下に転載させて頂きます。 ………………………………………………………………………… チベットに対して、できること。 友人の文化人類学者上田紀行さんからメールが届いた。 以下転載。 上田紀行です。 先週よりチベット情勢に心を痛めております。 何かできないかと思い、NHK出版を通じて、書店に働きかけを行いました。 その結果、紀伊國屋書店本店、ジュンク堂池袋、大阪店、 丸善丸の内オアゾ本店、青山ブックセンター本店で、 「緊急・ダライ・ラマ・ブックフェア」の開催が決まりました。 また、この情報を「ボーズ・ビー・アンビシャス」メンバーに流したところ、 高松の僧侶の方が働きかけ、 高松の宮脇書店本店、南店でも緊急フェアが開催されることになったとのことです。 書店の方々の「打てば響く」対応に感動しております。 この動きがもっと広がっていくことを念じております。 …………………………………………………………………………
by koikehidefumi
| 2008-03-24 19:06
| 仏教!?
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