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前回に引き続きガンジスシリーズVol2. ちなみにサイトの方も本日アップされました。 どちらも原稿だけは同一のものですが、見せ方をはじめ写真もまったく別のものです。 というか、当ブログはそこでセレクト外となった写真、あるいは自分の中でなぜか違和感がある写真を選び、なんの編集もせずにアップするのを旨としています。 もしよろしければ、サイトの方もご覧いただければと思います。 よろしくどうぞお願いいたします。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 2. Garhwal Himaraya(ガルワールヒマラヤ) 「おじいさんは山へシバ刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました」 日本人ならば誰しも知る桃太郎の一節。 しかしその光景をいまの日本に探すのはとても難しいことだろう。 ![]() ガンジスの源流より下ること約100キロ、ヒマラヤの懐に抱かれたある集落で、私は生まれてはじめてその光景を目の当たりにした。 一階が牛小屋、二階が人間の住居という民家で目覚めた朝まだき、家人が出掛ける気配がする。戸口から窺うと、家主の老婆を先頭に、家族一同鍬を片手に山道を足早に遠ざかってゆく。 ![]() 畑仕事に行ったのだろう。そう思い、朝の支度を終えたのち、一行を追って裏山にわけ入ってみた。 ![]() しばらく山道を登ってゆくと、前方になにやら巨大な草むらがうごめいているのが見えてきた。さらに近づき目を凝らすと、草むらより手足がはえてきた。 ![]() それは身の丈を越す野草の塊を背負った、家主の老婆であった。老婆は小柄な体躯を窮屈そうに折り曲げて、隘路をずんずん下ってくる。 ![]() その力強い足取りに一瞬たじろいたが、なに、それでも野草ぐらい、別に鉄の板を担いでいるわけでもない。そこで続いて下りてきた三人娘のうちひとりに、代わりに担がせてくれと願い出てみた。 「ティケ(OK)」。巨大な野草の塊が、路肩の岩に下ろされる。中腰となり、野草を結わえたシュロ縄を肩に回し込む。足腰に満身の力をみなぎらせる。が、野草の塊は、寸分たりとも動じない。額に汗が噴き出した。視界の隅に娘たちのかぼそい腕が映り込む。 ![]() 野草の塊を肩から下ろし、へなへなと山道にへたり込んだ。 見上げると、娘たちが白い歯を見せ笑っている。 照れ笑いを浮かべつつ、一言二言日本語の弁明が口をついてでた。 すると突然発せられた聞き慣れない言葉に、彼女らの笑いはさらに高鳴り、山間に開けた薄明の空へ朗らかに弾け散ってゆくのだった。 ![]()
by koikehidefumi
| 2008-07-16 22:50
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